ある銘柄の企業価値やEPS、BPSなどの指標を見るためには、発行済株式数を知る必要があります。
株価だけに注目していても企業価値や株価が割安か判断するEPSなどの指標は計算できません。
ここでは発行済株式数についてみていきたいと思います。
目次
発行済株式数とは?流動性や値動きに影響。
発行済株式数とは、その名前の通り企業が既に発行済みの株式数のことで、企業が自由に設定することが可能です。
発行済株式数は新株発行や株式分割を行うことで、変化していきます。
一般に大型株は発行済株式数が多く、売買が活発に行われ株価の値動きは緩やかになりやすいです。
中型株・小型株は発行済株式数が少なく、売買が少なくても株価が動くため、値動きは荒くなりやすいです。
大型株でも発行済株式数が少ないと株価は高くなり、値がさ株となります。
発行済株式数を使って算出できる指標とは?時価総額、 EPS(1株当たり利益)、BPS(1株当たり純資産)。
発行済株式数は、さまざまな指標を計算するのに使われますので、主なものを見ていきましょう。
① 時価総額
時価総額は企業の価値を表しますが、株価だけでは判断することはできず、発行済株式数を確認する必要があります。
時価総額 = 株価 X 発行済株式数
② EPS(1株当たり利益)
EPSを算出することで収益性から株価が割安かを判断する材料となります。また、EPSと株価の関係はPER(株価収益率)となります。
EPS(1株当たり利益) = 当期純利益 ÷ 発行済株式数
PER(株価収益率) = 株価 ÷ EPS(1株当たり利益)
③ BPS(1株当たり純資産)
BPSを算出することで企業が保有する純資産から株価が割安か判断する材料になります。また、BPSと株価の関係はPBR(株価純資産倍率)となります。
BPS(1株当たり純資産) = 純資産 ÷ 発行済株式数
PBR(株価純資産倍率) = 株価 ÷ PBR(株価純資産倍率)
⇒【PERの詳細を解説】
⇒【PBRの詳細を解説】
日経平均採用銘柄の発行済株式数ランキング。みずほと三菱UFJが上位。
日経平均採用225銘柄の発行済株式数ランキングをみていきましょう。
1位はみずほで約254億株、2位は同じく銀行の三菱UFJで約132億株と2倍近く開きがあります。
上位10社はどれも有名企業で、時価総額も高い企業ばかりです。
発行可能株式数とは?企業が将来発行可能な株式数。
企業は発行可能株式数も定めており、これは発行済株式数とは異なり、将来企業が発行可能な株式数です。
発行可能株式数は企業の定款に記載しておく必要がありますので、定款を変更することなく、新株の発行が可能となります。
まとめ
株式投資では株価そのものに目が行きがちですが、発行済株式数に着目して時価総額やEPS、BPSなども確認すると、違った視点で株式投資をすることができます。
是非確認するようにしてみてください。
<こんな記事も読まれています>
⇒【PERの詳細を解説】
⇒【PBRの詳細を解説】
この記事へのコメントはありません。