企業が決算発表を行う際に最も注目される指標の1つが売上高や純利益といった指標です。
これらの指標は決算書の中の損益計算書に記載されています。
損益計算書は企業の稼ぐ力を見るうえで非常に重要な情報が記載されています。
ここでは損益計算書についてみていきましょう。
⇒【決算発表の詳細を解説】
目次
損益計算書(P/L)とは?企業の経営成績を表すもの。
損益計算書とは、一定期間における企業の経営成績を表したもので、会社の収益や費用、利益についての情報が記載されています。
英語ではProfit and Loss statementと言われ、略してP/Lとも言います。
損益計算書は貸借対照表と並んで重要な決算書の1つで、投資家がまず最初に注目するのが、利益などの指標がわかる損益計算書です。
ファンダメンタル分析を行うには、損益計算書は欠かせません。
以下は損益計算書のイメージとなりますので、全体感を把握してください。
⇒【貸借対照表の見方を解説】
売上総利益、営業利益、経常利益とは?計算方法は?損益計算書で覚えておくべき指標。
それでは損益計算書で覚えておくべき指標をみていきましょう。
以下は7203 トヨタ自動車の2018年3月期の連結損益計算書です。
① 売上高 - 売上原価 = 売上総利益
売上高は企業の商品やサービスの販売など、主な営業活動による収入です。売上原価は売上高に必要な費用です。その差額を売上総利益といい、主な営業活動による収益力を表します。
② 売上総利益 - 売上原価並びに販売費及び一般管理費 = 営業利益
売上原価並びに販売費及び一般管理費は従業員給与などの費用です。それを売上総利益から引いたものを営業利益といい、企業本来の営業活動による利益です。
③ 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用 = 経常利益
営業外利益は受取利息など、企業の本業以外からの収益、営業外費用は支払利息など、企業の本業以外の費用です。それらを営業利益から引いたものを経常利益といいます。
税金等調整前当期純利益、当期純利益とは?計算方法は?損益計算書で覚えておくべき指標。
続いて2つみていきましょう。
④ 経常利益 + 特別利益 - 特別損失 = 税金等調整前当期純利益
特別利益は有価証券売却益など、企業の本業以外で臨時で発生した収益、特別費用は固定資産売却損など、企業の本業以外で臨時に発生した費用になります。それらを経常利益から引いたものを、税金等調整前当期純利益といいます。
⑤ 税金等調整前当期純利益 - 法人税等 = 当期純利益
法人税等は、利益に対して課税される法人税や住民税などです。それを税金等調整前当期純利益から引いたものを、当期純利益といい、その期間で企業が最終的に稼いだ利益となります。
⇒【PERの詳細を解説】
まとめ
損益計算書からは企業の稼ぐ力を見ることができ、株式投資で最も重要なデータが記載されています。
損益計算書の内容次第で、企業の株価は大きく動き可能性があるので、注目しておいてください。
例として使ったトヨタ自動車の2018年3月期は最高利益を更新して、日本の企業としても歴史上1番の利益となっています。
日本を代表する企業として、世界の時価総額ランキングの上位に入ってほしいものです。
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