固定比率と固定長期適合率の見方。貸借対照表(バランスシート)で必ず確認すべき2つの指標。任天堂を例に計算してみよう。
貸借対照表では、会社の長期的な安全性をはかる固定比率と固定長期適合率があります。
会社の安全性を示す自己資本比率や短期的な支払い能力を示す流動比率、当座比率と同様に重要な指標です。
ここでは固定比率と固定長期適合率を解説していきます。
⇒【貸借対照表の見方を解説】
固定比率とは?長期的な安全性を示す指標で目安は100%以下。
長期的な安全性をはかる指標である固定比率をみていきましょう。
固定比率とは、純資産に対する固定資産の割合で、長期的に使用する固定資産が返済義務のない自己資本でカバーできているかがわかる指標です。
数字が低いほどよく、100%以上だと返済義務のある負債で固定資産を購入していることになるため、100%以下が理想とされていますが、100%を超える企業も多いです。
固定比率(%) = 固定資産 ÷ 純資産 X 100
任天堂の固定比率を計算してみましょう。
青で囲った2つの数字を使います。
356,984百万円(固定資産) ÷ 1,323,574百万円(純資産) = 27.0%
任天堂の固定比率は27.0%と理想とされる100%以下よりはるかに良い数字となっています。
固定長期適合率とは?長期的な安全性を示す指標で目安は100%以下。
固定比率が100%以上の場合は、固定長期適合率を見ることで、安全性を確認します。
固定長期適合率とは、純資産と固定負債の合計に対する固定資産の割合で、固定資産が短期的に返済が必要のない固定負債と純資産でカバーできているかがわかる指標です。
数字が低いほどよく、100%以上だと短期的に返済する必要がある流動負債で固定資産を購入しているため、100%以下が理想とされています。
固定長期適合率(%) = 固定資産 ÷ (純資産 + 固定負債) X 100
任天堂の固定長期適合率を計算してみましょう。
青で囲った3つの数字を使います。
356,984百万円(固定資産) ÷ (1,323,574百万円(純資産)+ 32,097(固定負債) X 100 = 26.3%
任天堂の固定長期適合率は26.3%と理想とされる100%以下よりはるかに良い数字となっています。
まとめ
貸借対照表では自己資本比率、流動比率、当座比率が重視されがちですが、固定比率、固定長期適合率も重要な指標です。
分析が慣れてきた人は是非これらも取り入れてみてください。
任天堂は2つとも理想的な数字を大幅に上回る超優良企業でしたが、他の企業も是非分析してみてください。
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