株価は買注文と売注文の株数が同じになったところで決定されますが、影響の大きいニュースが発表された際には、売買いずれかの注文の株数が極端に多くるケースがあります。
このような状況で、株価が値幅制限いっぱいのストップ高あるいはストップ安となった場合、どのように取引が成立するのか、みていきましょう。
目次
比例配分方式とは?どのような場合に適用されるのか?
比例配分方式とは、売買いずれかの注文が極端に多い状況で、株価がストップ高あるいはストップ安となった場合、証券取引所はその株価で取引を約定させ、約定した株数を証券会社の注文数量に比例して配分するものです。
ストップ高の場合はストップ高比例配分、ストップ安の場合はストップ安比例配分と呼ぶこともあります。
⇒【株価変動の要因を解説】
比例配分方式ではどのように株数を証券会社に割り当てするのか?そのルールとは?
比例配分方式で約定した株数が、どのように証券会社に配分されるのかみていきましょう。
ある銘柄の株価のストップ高が100円で、売注文が10,000株に対して買注文が333,000株と極端に買注文が多い状況とします。
この状態でその日の取引が終了した場合に比例配分方式が適用され、10,000株が100円で約定されます。
この約定した10,000株を合計333,000株の注文を出している証券会社に配分する必要がありますが、配分は以下の2つのルールで決定されます。
① 約定した株価(この場合100円)で注文を出している証券会社を、株数の多い順に並べて、単位株数を配分する。
② ①を行った後に残株数がある場合は、注文株数に比例して証券会社に配分する(A証券会社の場合、注文株数189,000株 X 残株数9,600株 ÷ 全注文株数333,000株 = 5,400株)。
⇒【株式の注文の流れを解説】
証券会社内では配分された株はどのように投資家に割り当てられるのか?そのルールとは?
証券会社内での投資家への株の配分は、各証券会社のルールによって異なり、ルールを公表していない証券会社が多いです。
ルールを公表している証券会社では、成行注文や注文時刻を優先している会社が多いですが、あなたが取引している証券会社がルールを公表しているかは確認してみてください。
まとめ
少しややこしかったと思いますが、比例配分方式の仕組みやルールは理解していただけたでしょうか?
比例配分方式が適用された場合、証券取引所のルールで証券会社に配分され、証券会社のルールで最終的には投資家に配分されます。
あまり適用されるケースは多くなく、詳細のルールまでは覚える必要はないと思いますが、該当した際には確認するとよいでしょう。
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