引越し料金の過大・水増し請求問題渦中のヤマトホームコンビニエンス(YHC)。YHCを傘下に持つヤマトホールディングス(YHD)は社内調査の結果を公表し、驚くべき件数と金額の過大・水増し請求を発表しました。
YHDは組織的な不正は否定しましたが、問題発覚のきっかけとなる内部告発をした元支店長が、再度記者会見を開きました。ここではその記者会見の内容についてみていきたいと思います。
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ヤマトホームコンビニエンス元支店長・槙本元氏、過大・水増しの不正請求は組織的に行われていたと反論会見。
YHCの不正請求を内部告発した槙本元氏は、2018年7月27日に再度国土交通省で記者会見を行いました。YHDは7月24日に記者会見を開催し、社内調査結果の発表を行いましたが、槙本氏は、本当に悪いと思っていると感じられず、説明が正確ではないため、再び記者会見を行うことを決めたようです。
YHDの説明では、事前見積もりと実際の貨物量との差額精算を行なわなかったために、過大・水増し請求が発生したと説明しましたが、槙本氏はこれに真正面から反論。見積もりの段階から、実際には運ぶ予定のない荷物も含めて水増しし、意図的に過大請求を行っていたと証言しました。
ヤマトホームコンビニエンスの過大・水増しの不正請求は10年以上行われていた可能性も。見積もり段階から意図的に水増しも。
YHDが7月24日に公表した社内調査の対象期間は、2016年5月から2018年6月の約2年間。槙本氏が支店長だった2010年頃から不正請求は行われており、少なくとも10年間は行われていたと指摘しています。
社内ルール上、記録は7年間残すことになっており、なぜ2年間のみを対象に調査を行ったのか疑問が残ります。2年間の調査でも受注した件数の約4割に相当する約40,800件の過大・水増し請求があり、総額は約17億円。
この規模の件数と金額の不正があったにもかかわらず、組織的な不正ではなかったと説明するには無理があると思います。
ヤマトホールディングスの調査委員会は過去の調査結果を発表するのか?槙本氏は詐欺容疑で刑事告発も検討。
YHDの広報は槙本氏の反論に対して、調査委員会の調査結果を待たないと事実関係はわからないとコメントしています。今後過去に遡って調査が行われ、結果が公表されるのか注目です。
内部告発を行った槙本氏も、不正請求の対象となった顧客も、更なる調査を行わないと納得感は得られないでしょう。槙本氏はYHD及びYHCを詐欺容疑で刑事告発することも検討しています。
YHCが過去7年から10年程度の調査を行った場合、数十億~100億近くの不正請求が発覚する可能性があります。この規模となってくると、そもそもYHCのビジネスモデルが不正で成り立っていた可能性もあり、YHDの業績や株価に与える影響は大きそうです。
槙本元(まきもとはじめ)氏、ヤマトホームコンビニエンス元支店長が引っ越し料金過大・水増し請求は組織的不正と内部告発まとめ
YHDの社内調査の結果は驚きでしたが、調査機関が短すぎて納得感があるものではありませんでした。今後の調査で、槙本氏が指摘したような事実が発覚するのか注目です。
YHDの株価や業績に与える影響は現時点ではありませんが、今後調査委が進むにつれて、影響がでてくる可能性が十分にあります。注目して見守りたいと思います。
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