2018年5月29日、テレビ東京が放送するドキュメンタリー番組「ガイアの夜明け」にてスルガ銀行のシェアハウス向け不正融資問題が特集されました。
ここでは番組の内容と、スルガ銀行の株価の動きについてみていきたいと思います。
目次
スルガ銀行シェアハウス不正融資問題、「ガイアの夜明け」で特集。通帳改ざんの手口の詳細とは?
番組では、スルガ銀行と取引があった不動産仲介業者の社長がインタビューに応じ、通帳残高改ざんの手口を紹介しました。
まず3種類ある金融機関の通帳のうち、どれか一番改ざんに適しているかとの質問に対しては、通帳内のページがほぼ単色である金融機関のものを選びました。
続いて通帳のデータをパソコンで読み込み、その一部を数字の部分をコピーし、残高の部分に貼り付けを行うと、一気に2桁から3桁の数字を増やすことが可能というものでした。
これで問題ないかとの問いに対しては、今まで10件程度の申請を行ってきたが、通らなかったことは無いと回答しました。
⇒【スルガ銀行のシェアハウス不正融資問題が株価や業績に与える影響を解説。】
スルガ銀行シェアハウス不正融資問題、「ガイアの夜明け」で特集。行員が不動産業者に改ざんを指示する内容詳細とは?
続いてスルガ銀行の行員と不動産仲介業者が、コミュニケーションアプリLINEでやり取りしていると思われる内容の証拠について紹介されました。
そこにはスルガ銀行の行員が、「(エビデンスを意味する)エビどう?夕方までに提出が必要だからよろしく。5,800万円くらいにしておいて」といった内容を送信した記録が残されていました。
これに対して不動産仲介業者は「対応中です、承知致しました」と返信しています。
スルガ銀行の行員が改ざんを指示する決定的な内容となりました。
⇒【スルガ銀行決算発表を受けて株価大幅下落。シェアハウス不正融資の状況は】
スルガ銀行シェアハウス不正融資問題、「ガイアの夜明け」で特集。元行員が語る、スルガ銀行の内情とは?
番組では元スルガ銀行の幹部行員のインタビューもありました。
まず返済が厳しくなる不動産物件に対して融資することは、銀行としても良くないのではとの問いに対しては、「先のことは考えずに、目先のノルマ達成ばかりを求められた」と回答していました。
厳しいノルマが課されて、達成するまで帰ってくるなといった、パワハラともとれる内容の指示が上司からあったそうです。
具体的には8億円の融資ノルマに対して、6億円の融資しか取れないと、「あと2億はどうした?2億取れるまで帰ってくるな」といった内容だったそうです。
このようにノルマ至上主義が、行員を不正融資に巻き込む要因になったと考えられます。
スルガ銀行シェアハウス不正融資問題、「ガイアの夜明け」で特集。株価の値動きや今後の見通しとは?年初来安値更新へ。
以下はスルガ銀行の日足チャートです。
5月29日の株価は前日比▲31円(▲2.5%)の1,231円で引けています。
一時安値は1,187円を付けて年初来安値を更新、4月19日安値1,200円を切り下げた形となっています。
3本の移動平均線は下向きで、下降トレンドとなっており、安値を切り下げたことで下落が加速する可能性もあります。
引き続き下値を探る展開が継続していくと思われます。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
「ガイアの夜明け」では今まで明らかになっていなかった、スルガ銀行行員が改ざんを指示する内容が明らかとなりました。
また元行員の話を聞く限りは、ほぼすべての行員が改ざんを認知していたと可能性が極めて高くなりました。
今後も金融庁による調査や被害者からの訴訟は続いていきますので、状況を注視していきたいと思います。
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