ふくおかフィナンシャルグループ(FG)と十八銀行の経営統合に向けて、公正取引委員会が最終調整に入ったことが明かになりました。
ここではふくおかFGと十八銀行経営統合の詳細、業績や株価への影響をみていきたいと思います。
目次
地銀の統合には金融庁と公正取引委員会が対立。ふくおかFGと十八銀行の統合が進まなかった要因・理由とは?
業績低迷が続く地銀の経営統合を巡っては、金融庁と公正取引委員会では意見が異なり、ふくおかFGと十八銀行の経営統合については、公正取引委員会が難色を示していました。公正取引委員会は、経営統合によって競争がなくなり、金利上昇などの形で顧客が不利益を被るという考え方なのに対して、地銀の存続に危機感を感じる金融庁は、余力があるうちに統合をすすめていくべきだとのスタンス。
ふくおかFGと十八銀行は2016年2月に統合を発表したが、公正取引委員会は統合を認めないスタンスを貫いてきました。十八銀行は長崎県でトップのシェアを誇っており、ふくおかFGは長崎県シェア2位の親和銀行を傘下に持っています。両行の同号によって長崎県でのシェアが7割まで上昇することに対して、公正取引委員会は懸念を示していました。
長崎県でのシェアを下げるためにふくおかFGと十八銀行が行ったこととは?公正取引委員会から評価され、統合に向けた動きが加速。
ふくおかFGと十八銀行は統合後の長崎県でのシェアを下げるため、既存の貸出先に対して、他銀行への借り換えが可能かの調査を行っていました。また、同時に約20の金融機関に対して、借り換えに応じてくれるかの打診も行い、公正取引委員会の懸念に対応する動きを見せていました。
借り換えの打診を受けた鹿児島銀行や佐賀銀行は、借り換えに対して前向きな姿勢を見せており、今後借り換えが進む公算。公正取引委員会はこれらの取り組みを評価し、経営統合を承認する方向で最終手続きに入ると見られています。
ふくおかFG、十八銀行との経営統合で株価上昇の可能性は?
ふくおかFGの2018年の株価は年初から下落して安値圏での推移が続いていましたが、7月5日に532円の安値を付けた後上昇に転じ、5月18日高値617円と6月15日高値616円を突破し高値切り上げを完成しています。以下はふくおかFGの日足チャートです。
テクニカルには、株価は75日移動平均線(水色)を明確に上抜けしています。10日移動平均線(ピンク色)は25日移動平均線(緑色)・75日移動平均線とゴールデンクロスを完成し、株価は上昇に向かいやすい状況となっています。
年初来高値である1月11日694円を突破できるのか注目です。
十八銀行、ふくおかFGとの経営統合で株価上昇の可能性は?年初来高値更新へ。
十八銀行の2018年8月1日の株価は、ふくおかFGとの経営統合をうけて、10時40分頃で前日比+20円(+6.6%)で取引されており、年初来高値を更新しています。以下は十八銀行の日足チャートです。
テクニカルには3本の移動平均線が上向きになっており、10日移動平均線(ピンク色)が25日移動平均線(緑色)・75日移動平均線(水色)とゴールデンクロスを完成しており、株価は上昇に向かいやすい状況となっています。
どこまで上値をのばせるのか注目です。
ふくおかFG・十八銀行(長崎)2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
時間がかかったふくおかFGと十八銀行の経営統合ですが、借り換えによるシェア低下への取り組みが評価され、ついに公正取引委員会が承認する動きとなりました。
両行の株価は上昇傾向となっており、今後さらなる上昇が期待されます。特に十八銀行は年初来高値を更新しており、どこまで上昇するか注目です。
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