日本通運(日通)は2018年7月31日に2019年3月期第一四半期決算を発表しました。同日、日通に契約社員として勤務していた男性が、無期雇用切り替え直前に契約を打ち切られ、日通を提訴する方針で動いているとのニュースも飛び込んできています。
ここでは日通の第一四半期決算と契約社員雇い止めの詳細、日通の株価の動きについてみていきたいと思います。
目次
日通2019年第一四半期決算発表、その詳細は?上半期計画に対する進捗率は?通期業績は変更せず。
日通が2018年7月31日13時に発表した、2019年3月期第一四半期決算は、経常利益が前期比+8.3%の183億3,600万円、四半期純利益が前期比▲5.3%の104億9,900万円となりました。上半期計画の半期純利益220億円に対する進捗率は47.7%とまずまずのスタートとなっています。
通期の決算予想は変更なく、経常利益が前期比+8.9%の810億円、当期純利益が前期比約6.9倍の450億円となっています。
日通川崎支店勤務の契約社員、無期契約転換が可能となる5年を目前に突如契約解除。日通を相手に訴訟へ。
2019年3月期第一四半期決算を発表した日通に、ネガティブなニュースも入ってきました。日通の川崎支店で勤務していた男性が7月31日、日通が契約解除したのは無効だとして、横浜地裁川崎支部に訴えを起こしました。
男性は2013年7月1日に契約社員として勤務を開始。4回の契約更新が行われ、勤務期間が通算5年となる直前の2018年6月30日に雇い止めで契約解除となり、退職を余儀なくされました。
労働契約法では、有期契約である契約社員であっても、通算した契約期間が5年以上となれば、無期契約への転換を申請する権利が労働者側に発生することが定められています。企業側は無期契約への申し出があった場合には拒否することはできません。
同じように契約期間5年を目前として契約を解除するケースが相次いで発生し、各地で訴訟が起こっています。厚生労働省はこの問題を「2018年」問題として、注目している状況です。
日通はこの問題に対して、訴状が届いておらず詳細がわからないとコメントしています。
日通2018年8月以降株価上昇の可能性は?7月11日安値7,100円を維持できるかがポイント。
決算発表と訴訟が明かになった日通の2018年7月31日の株価は、前日比▲240円(▲3.2%)の7,300円で取引を終了しています。決算発表はほぼ予想通りの内容で影響はないと思われますが、株価は大きく下落しました。訴訟についても材料視された可能性は低いと思われます。以下は日通の日足チャートです。
2018年の日通の株価の値動きは、6月13日に年初来高値となる9,130円を付けた後下落に転じ、7月11日には7,100円の安値を付けました。現在も安値圏での推移となっており、方向感を探っている展開です。
テクニカルには、25日移動平均線(緑色)が上値の抵抗となっており、10日移動平均線(ピンク色)も下回っていることから、下落しやすいチャートとなっています。7月11日安値7,100円を下抜けするようだと、一気に下落が加速する可能性があるので要注意です。
株価が上昇に向かうためには、25日移動平均線を突破し、75日移動平均線(水色)近辺まで回復する必要があります。
日通2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
日通が発表した2019年3月期第一四半期決算は特にサプライズのない内容でしたが、元契約社員による訴訟の影響が気になるところです。
株価はチャート的に下落しやすい形状となっており、今後の下落に要注意です。
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