6501 日立製作所は2018年7月30日に2019年3月期第一四半期決算を発表しました。また、同時に計画が不透明となっているイギリスでの原子力発電所についても、重要な発言がありました。
ここでは日立製作所の2019年第一四半期決算の内容と、イギリス原子力発電所建設計画についてみていきたいと思います。
目次
日立製作所2019年3月期第一四半期決算の詳細とは?四半期純利益は過去最高を更新、通期見通しは変更せず。
日立製作所の2019年3月期第一四半期決算の四半期純利益は、前年同期比+40%の1,052億円と、第一四半期では過去最高を更新しました。通期見通しは変更なく、当期純利益は前期比+10.2%の4,000億円を見込んでいます。
当期純利益の通期見通しに対する進捗率は26.3%と過去4年平均と同水準となっています。第一四半期の結果としては、過去最高を更新し順調なスタートを切ったと言えるでしょう。
イギリス原子力発電所建設計画の状況は?計画中止なら日立製作所は最大2,700億円の損失発生。
しかしながら、通期見通しに対しては懸念材料もあります。イギリス政府と進めてきたイギリスでの約3兆円の原子力発電所計画ですが、着工の見通しが立たず、現時点で計画を中止すれば最大で約2,700億円の損失が生じる可能性があることが、わかりました。
2,700億円は通期の純利益見通し4,000億円に対して70%弱とかなり大きなインパクトとなります。また、これは現時点での想定であり、今後着工への手続きや調査にも費用がかかるため、判断が遅れれば遅れるほど、損失は大きくなる可能性が高いです。
日立製作所はイギリス政府に資金援助を求めており、イギリス政府は協力的な姿勢を見せていますが、イギリス国内では公的資金投入に対して否定的な意見が多い状況です。
日立製作所株価上昇の可能性は?決算発表やイギリス原子力発電所計画の影響は?
日立製作所の2018年7月30日の株価は、前日比▲7.1円(▲0.9%)の803.1円で取引を終了しました。第一四半期決算発表は15時発表であったっため、株価に影響が出るのは明日以降です。
決算は比較的好調であるものの、イギリス原子力発電所建設についてのニュースがどのような反応を見せるか注目です。
テクニカルには、7月5日安値751.1円から回復に向かっている状況で、75日移動平均線(水色)近辺まで上昇してきています。10日移動平均線(ピンク色)と25日移動平均線(水色)も上向きとなってきており、75日移動平均線とのゴールデンクロス完成が待たれます。7月5日安値が3月26日安値736.7円をしっかりと切り上げているのは、上昇に向けて良い材料となります。
日立製作所2018年8月以降株価上昇の可能性まとめ
日立製作所の2019年3月期第一四半期決算の純利益は過去最高を更新し順調なスタートとなりましたが、イギリスでの原子力発電所の建設計画が進まずに、不安を残す内容となっています。
株式市場がどのように反応するのかに注目が集まります。
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