ここ最近、大手企業の品質データ不正関連のニュースが多くなっていますが、またしても不正が見つかりました。日立製作所の子会社で東証一部上場の日立化成は2018年6月29日、産業用鉛蓄電池の品質検査データを不正していたことを発表しました。
ここでは不正の詳細内容や株価や業績に与える影響をみていきたいと思います。
目次
日立化成、産業用鉛蓄電地の品質データ改ざん・不正発覚。期間、対象製品数、出荷済み客数などの詳細は?
今回品質不正が発覚したのは、日立化成の名張事業所(三重県名張市)で生産される産業用鉛蓄電池で、工場の施設が停電などで停止した際のバックアップとして使用されるものです。不正が行われていた期間は2011年4月~2018年6月、対象製品数は約6万件で約500社に対して出荷済みとなっています。2011年3月以前も不正が行われていた可能性があるとして、今後も継続調査を行っていきます。
検査データの改ざんは行われていたものの、製品の性能には問題がないことは確認済みで、安全性についての懸念はないとのことです。しかしながら、まだ不正期間の詳細は不明となっているため、今後の調査で事態が深刻化する可能性は残されていると思います。
日立化成、産業用鉛蓄電池品質データ改ざんによる業績・決算への影響は?下方修正の可能性高いか?
今回不正が発覚した産業用鉛蓄電池は、日立化成の売上高の約6%を占めます。日立化成の2019年3月期決算見通しでは、売上高は前期比+6.1%の7,100億円を見込んでおり、産業用鉛蓄電池の売上高見込みは約426億円となります。この金額全てに影響を与えるわけではないと思いますが、信用問題も含めて少なからず影響はありそうです。
2019年3月期決算見通しの当期純利益は前期比+26.6%の460億円を見込んでいます。現時点での通期業績に与える影響は未定としていますが、今後調査が進むにつれて影響が出てくる可能性は高そうです。
日立化成、2018年7月以降株価下落の可能性は?産業用鉛蓄電池品質データ改ざん・不正問題。日足チャートのテクニカル分析は?
日立化成の6月29の株価は前日比+2円(0.1%)の2,222円で引けています。品質データ不正を発表したのが取引終了後であったため、株価の影響が出るのは7月2日以降となります。
以下は日立化成の日足チャートです。日立化成の株価は2018年1月17日に3,115円の高値を付けて以降、下降トレンドが継続しています。6月26日には2,141円の安値を付けて、現在も安値圏での推移となっています。7月2日には今回の品質不正のニュースを受けて安値を更新してくる可能性は高そうです。
テクニカルには10日(ピンク色)・25日(緑色)・75日(水色)の3本の移動平均線が全て下向きとなっており、弱いチャートとなっています。下値の目途となる価格帯が無く、今回の品質不正のニュースを受けてどこまで下落するかは読みにくい状況です。一旦は心理的な目安となる2,000円前後を維持できるのかがポイントとなります。
今回のニュースで日立化成の株価は長期的なダウントレンドとなる可能性が十分あります。まずは7月2日にどういう値動きを見せるのか確認し、それからトレードしていく形でも遅くはないと思います。不正関連のニュースの後は株価の値動きが荒くなるので、注意が必要です。
日立化成2018年7月以降株価下落や業績・決算下方修正の可能性まとめ
またも大手企業の品質データ不正が発覚しました。安全性には影響は無いとしていますが、まだ調査も途中の段階で、今後問題となる可能性は十分あります。日立化成の売上高の約6%を占めるため、業績への影響も避けられないでしょう。
まずは7月2日に株価がどのような反応を見せるか注目です。今回のニュースをきっかけに長期的なダウントレンドを形成していく可能性は十分あります。
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