神戸製鋼所の株主総会が、2018年6月21日に神戸市中央区で開催されました。品質データ改ざん問題で東京地検特捜部と警視庁から家宅捜索が実施される中、株主からはどのような反応があったのでしょうか?
ここでは神戸製鋼所の株主総会の様子や株価の推移についてみていきたいと思います。
目次
神戸製鋼所の品質データ改ざん問題、その詳細とは?不正競争防止法違反の疑いで家宅捜索も。
神戸製鋼所の品質データ改ざん問題は、2017年10月に自主点検で明らかになり、公表されました。対象となった製品は国内外の600社以上に供給されており、アメリカ司法当局の捜査対象にもなっています。
品質データの不正は40年以上前の1970年代から行われており、役員経験者を含む40人以上が不正に関与。長期間に亘って不正を排除できない企業風土が問題視され、2018年4月には川崎博也会長兼社長が引責辞任する事態となりました。
その後就任した山口社長は本件の対応を行い、はじめての株主総会を迎えることとなりました。
神戸製鋼所株主総会、検査データ改ざんにより不満続出。出席者数、時間などの詳細は?業績への影響は?
山口社長は株主総会の冒頭で、検査データの改ざん発覚により、多くの利害関係者に迷惑をかけたことを陳謝し、問題の経緯と今後の対応策を株主に対して説明しました。
ところが予想された通り株主からは批判が続出。不正を行わざるをえなかった社員が気の毒という意見もあり、山口社長は経営陣が積極的に現場の声に耳を傾け、再発防止に取り組むと、苦しい説明に終始しました。
また米国司法省による調査や、北米での訴訟に対する損失見込み額について質問されると、現時点で見通すことは困難との回答にとどまり、これに対しても株主からの不満が続出、経営陣から具体的な見通しが出てこないことに対しては不安を煽る形となってしまいました。
業績への影響についての言及はありませんでしたが、海外での損害賠償額の見通しが立たない中では、今後決算に影響を与える可能性があるかもしれません。
株主総会は約1時間45分行われ、注目の高さから昨年の394人を上回る497人が出席しました。
神戸製鋼所日足チャートによるテクニカル分析は?株主総会では不満続出、株価への影響とは?
神戸製鋼所の6月21日の株価は前日比▲19円(▲1.8%)の1,031円で取引を終了しています。以下は神戸製鋼所の日足チャートです。
2018年3月26日に一時978円の安値を付けていますが、2017年11月以降は概ね1,000円近辺で株価は反発していきました。現在の株価は再度1,000円近辺に迫ってきており、反発できるかがポイントとなります。
5月31日安値1,075円を切り下げてきていることから、下落に向かいやすいチャートとなっています。10日移動平均線(ピンク色)と75日移動平均線(水色)がデッドクロスを完成していることも、売り圧力が強くなりやすい要因となります。
神戸製鋼所株主総会、品質データ改ざん問題で批判続出まとめ
神戸製鋼所の株主総会では、予想通り品質不正問題に対して株主からの不満が続出しました。それに対して経営陣は納得のいく回答ができず、海外での訴訟案件も抱えていくことから、問題は更に深刻化する可能性があります。
株価は節目となる1,000円に迫っています。ここを下抜けするようだと下落が加速する可能性があるため、要注意です。
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