2018年6月22日に金融庁が仮想通貨取引所6社に対して業務改善命令を出したことがわかりました。2018年にコインチェックが仮想通貨ネムを不正流出したのをきっかけに、金融庁は数回にわたり業務改善命令を出しています。
仮想通貨市場が低迷する中で、今回の業務改善命令によって更に相場下落のきっかけとなるのでしょうか?こおKでは業務改善命令の詳細と仮想通貨市場に与える影響についてみていきたいと思います。
目次
日本の仮想通貨市場に対する取り組みとは?世界で初めて登録制を導入し、仮想通貨大国との呼び声も。
2017年は仮想通貨元年といわれ、仮想通貨取引をはじめる投資家が急属し、相場も高騰するなど大きな盛り上がりを見せた一年となりました。市場規模の拡大に規制が追い付いていないという議論がよくされますが、日本は他の国に先駆けて、2017年4月に改正資金決済法を施行し、世界で初めて仮想通貨取引所を金融庁への登録制としました。そのため日本は仮想通貨大国と言われることもあります。
ただ登録制を導入しても、登録が完了していない仮想通貨取引所もみなし業者として、無期限で営業ができる体制となっており、セキュリティーやシステムへの設備投資をおろそかにしながら、直接的に利益に直結する顧客獲得に各社は力を入れていました。その結果2018年にはコインチェックがサイバー攻撃によって、約580億円相当の仮想通貨ネムが不正流出。この事件をきっかけに金融庁は仮想通貨取引所の立ち入り検査を実施し、業務改善命令を出す事態となっています。
金融庁から業務改善命令を受けたのはビットフライヤー、ビットバンク、QUOINE、BTCボックス、ビットポイントジャパン、テックビューロの6社。その理由とは?
今回業務改善命令を受けたのは、ビットフライヤー、ビットバンク、QUOINE、BTCボックス、ビットポイントジャパン、テックビューロ(ZAIFを運営)の6社です。金融庁は業務改善命令の理由として、内部管理体制やマネーロンダリング対策が不十分であったとしています。
この措置を受けて、国内最大手のビットフライヤーは新規の口座開設を自主的に一時停止することを発表しています。テックビューロは2018年3月に続いて2回目の業務改善命令となります。
現在金融庁に登録されている仮想通貨交換業社は16社、またみなし業者も16社ありましたが、金融庁が立ち入り検査や規制を厳しくしたことで、その大半は登録申請を取り下げる事態となっています。
仮想通貨取引に対する日本の税率が高く、実態に即さない税法で、投資家を遠ざける結果に。
投資家保護のため、金融庁が規制を強化するのは正しい動きではありますが、仮想通貨市場に対して悪影響を与えている点もあります。それは税金の高さです。日本で仮想通貨取引で利益を上げた場合には、雑所得として分類され、給与所得など合算された累進課税で、住民税とあわせて最大で税率は55%となります。
最大税率55%というのは他の国と比較しても異常な高さで、日本の投資家が仮想通貨取引から撤退する要因の1つとなっています。また日本の現在の税制度では、利益確定はしなくても、他の仮想通貨に交換した時点で利益確定と見做され(例えばビットコインからイーサリアムに交換など)、仮想通貨の実態に即していないと批判が相次いでいます。
このように高い税率と実態に即していない税制が、仮想通貨市場低迷の要因となっています。
ビットフライヤー・ビットバンクなど仮想通貨取引所6社に業務改善命令まとめ
仮想通貨の税率や税制度に対して、株式投資の税率は約20%とかなり優遇されています。仮想通貨が低迷している現在でも、株式市場は比較的堅調に推移していますので、株式投資も検討されてはいかがでしょうか?
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