関西電力は2018年5月28日、7月以降の電気料金引き下げ申請を経済産業省に行いました。
料金値下げが出た後の株価は大きな動きはなく、5月28日前場終了時点で前日比+9円(+0.6%)の1,555円となっております。
ここでは料金値下の理由や金額、業績や株価への影響、他の電力会社との比較をみていきましょう。
目次
関西電力、2018年7月以降の電気料金値下げへ、家庭・企業・全体の値下げ幅や理由とは?前回の値下げに続いて2回目、その時期や詳細は?他の電力会社との比較は?
関西電力は、福井県にある大飯原理力発電所3・4号機の運転再開による収益を顧客に還元し、値下げを実施します。
値下げ率は家庭向けで4.03%、企業向けで5.94%、全体で5.36%となります。
関西電力の値下げは2017年8月に続いて2回目で、その際には福井県にある高浜原子力発電所の運転再開によるもので、平均4.29%の値下げを実施しました。
今回の値下げは前回を上回る金額となっています。
2011年の東日本大震災以降で電気料金の値下げを行うのは、大手電力会社としては関西電力のみが行っています。
関西電力、料金値上げの実績は?その理由や詳細とは?
関西電力は、東日本大震災以降2013年と2015年の2度、料金の値上げを実施しています。
関西電力は他の電力会社より原子力発電の比率が高く、2011年の東日本大震災以降の原子力発電の運転停止の影響を大きく受けました。
そのためコストが高い火力発電に頼らざるをえず、収益性の低下から値上げを余儀なくされてきました。
⇒【損益計算書の見方を解説】
関西電力、料金値下げによる株価や業績への影響は?2018年度(2019年3月期)決算見通しは?
関西電力は2018年4月27日に2018年3月期決算を発表し、売上高は前期比+4.1%の31,336億円、当期純利益は前期比+7.9%の1,518億円と増収増益となりました。
2019年3月期決算見込みについては、大飯原子力発電所4号機が本格稼働していないことから、業績予想が困難で未定となっていました。
今回の料金値下げの申請において、稼働の目途が立ったことから今後見通しの発表が行われると思われます。
以下は関西電力の株価の日足チャートです。
2018年2月15日安値1,205円から5月9日高値1,677円まで上昇トレンドを形成し、現在は1,555円と下落調整に入っています。
円高ドル安に株式相場全体が下降トレンドとなっていた中、為替の影響を受けにくい内需産業として電力株は全体として買いが集まったのが、株価上昇の1つの要因です。
テクニカルには一旦の下落調整で25日移動平均線(緑色)を下抜けているのが少し気になります。
赤線で引いた1,500円は心理的な節目であると同時に、過去何度も抵抗となっている価格帯でもあるため、ここを割らずに反転できるのかがポイントとなります。
割ってしまうと75日移動平均線(水色)が位置する1,410円近辺までの下落を考える必要があります。
⇒【移動平均線の詳細を解説】
まとめ
消費者としては、電気料金値下げは嬉しいニュースですが、企業としては決算どのような影響があるのかはまだわからず、注目です。
株価も上昇トレンド途中の下落調整期間にありますので、1,500円でサポートされるのか注目していきましょう。
<こんな記事も読まれています>
この記事へのコメントはありません。