株式投資は、企業の株主となって会社の議決権=経営に関わる権利を得ることも意味します。
なかなか個人のレベルでは全体の株数に対する割合は微々たるもので、実際に経営に影響を与えることはできませんが、大株主レベルになると一定の影響力を持ちます。
日本では株主が経営に口出しすするケースは非常に少ないのですが、欧米では大株主と経営陣の意見が対立することがあります。
このように株主と経営陣の意見が対立した際に起こるものとしてプロキシーファイトというものがありますので、詳細をみていきたいと思います。
目次
プロキシーファイト(委任状争奪戦)とは?
プロキシーファイトとは、株主総会において経営陣と意見が対立した株主が、自らの主張を議決するために、他の株主の議決権取得で争うことです。
日本語では委任状争奪戦といいます。
日本ではあまり例がないため聞きなれない言葉だと思いますが、欧米では経営に口出しをする物言う株主が多く、プロキシーファイトが起こることも多いです。
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日本でのプロキシーファイト(委任状争奪戦)事例は? 2015年大塚家具のお家騒動。
日本でのプロキシーファイトの事例としては2015年の大塚家具があります。
親後でのバトルであり、連日メディアで報道されたことから、記憶に残っている人も多いかもしれません。
創業者で約18%の株主、当時会長であった父・大塚勝久氏と娘で約10%の株主、当時社長であった大塚久美子氏との争いでした。
過去にも業績悪化を主な理由として、2人で社長の就任・退任を繰り返していました。
結果は当時社長である久美子氏が出した提案が出席議決権の61%の賛成を得て、久美子氏の続投が決定、勝久氏は退任に追い込まれました。
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ゼロックス株主が富士フイルムの買収受け入れに反発し、プロキシーファイト(委任状争奪戦)に発展する可能性も。
最近では、2018年1月に富士フイルムがゼロックスの買収発表に対して、ゼロックス株主が過小評価されていると反発してプロキシーファイトに発展する可能性がありました。
しかしながら最終的には経営陣が株主の意見を受け入れ、富士フイルムの出資受け入れ撤回と経営陣の刷新に合意したため、株主総会でのプロキシーファイトはなくなったとみられています。
まとめ
日本では以前からグループ会社間などの株式の持ち合いで、株主は経営に口出しをしないという流れがありましたが、最近は外国人投資家も多くなり、経営陣と意見が対立することも増えてきています。
今後の流れとしても経営に口を出す株主が増えてくる傾向となる可能性が高いと思います。
株主投資をすることは、株主となって経営に関われる権利があるということは覚えておいてください。
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